PC-1250,PC-1255 液晶 LCD 交換
(最終更新:2022/10/30 雑誌POPCOMの当時の記事を追記しました。
はじめてブログというものを書きます。
どうぞよろしくお願いします。
自己紹介にもあるように、子供の頃はポケコンとMSXに夢中になったものでした。
小学校5年頃に父がPC-1250を買い、それに雑誌のプログラムを入力してよく遊びました。
そのうち、雑誌のプログラムもレベルがあがり、マシン語・大容量のものが多くなりました。PC-1250はメモリが少ないため入力できず、雑誌の記事だけよんでワクワク・しょんぼりしたものです。
そんなとき、小学館のPOPCOMという雑誌にメモリー増設の記事があがり、父に頼み込み近くの電子部品屋さんを通じて秋葉原からICを取り寄せました(ブログ主は地方の田舎者です)。
取り寄せたのは、東芝製 TC5517AFL というもので、当時5,000円位したと思います。
(もしかしたら写真右上のSHARPのICを交換したかもしれません。記憶が曖昧です)
ハンダゴテの取り扱いは父に任せて、自分は虫眼鏡を父の目の前に持っていってサポートしました。
取り付け後、MEMを実行して3486と表示されたときの感動は今でも忘れられません。
********** 2022/10/30 当時のPOPCOMの記事 **********
当時の記事がありました。リンクの138ページにあります。ご存知の方も多かと思いますが、この Internet Archiveには、当時の雑誌がいくつも掲載されています。
例えば、トップ画面の「Search」という所へ、
月刊マイコン
micomBASIC
と入力すれば、前者2雑誌が、
https://archive.org/search.php?query=creator%3A%22%E5%B7%A5%E5%AD%A6%E7%A4%BE%22
に飛べば、工学社のI/Oがたくさん出てきます。
ちなみに、I/O 1987年4月号には、ポケコン界伝説のプログラマー、近成人さんのデンジャラスゾーン(のVerアップ版「β」)があります。
当時を思い出しながら遊んでみてください(感涙ものです)。
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そんなこんなで高校3年になり、いつ頃からかポケコンのLCDの左端に黒いシミができはじめました。
何とか食い止めようとして冷蔵庫で冷やしてみたりコタツで温めたりして四苦八苦しましたが、年々シミが大きくなり、ついには画面全体を覆ってしまいました。
当時、SHARPは「液晶はシャープ!」と大々的にCMしていましたが、この一件で自分的には、
(´Д`)ハァ…ー
って感じでした(余談)。
それ以来、「いつの日かなおせる方法が見つかるかもしれない・・・」と淡い期待と一緒に、実家の片隅にしまっておくこととなります。
社会人になっても、ときどきポケコン熱が再燃するときがあり、オークションでいろいろと買い漁りもしました。
カシオ系のポケコンは液晶に変化はありませんが、シャープ系はほとんどが購入後に同じ症状を発症し、液晶が逝ってしまいました。。。
それから何十年か過ぎ、2020年夏頃、PC-125X用の液晶を自作したという記事がふと目に飛び込みました。
もちろん、この方です。
最初は迷いましたが、色々調べていくうちに、
に行き着き、海外なので買おうかどうしようか迷いましたが、思い切って3つ購入しました。
(藁をもすがる気持ちとはこういうことと実感)
Robert氏曰く、LCD劣化の原因は両面テープが湿気を吸って液晶を侵食する、とのことです。
(そりゃ、冷蔵庫やコタツでは治らんわ、、、)
購入後、郵送履歴がUSPS.COMで確認できました。
購入日は、2020年9月4日で、5日9時(米時間?)にカリフォルニア州モーガンヒルから発送。
7日2時にサンフランシスコから空輸。
8日14時に東京着。
9日9時に通関。
10日13時に通関手続き完了。
10日14時(日本時間?)に家に届きました。
緩衝材がたくさん入っていて丁寧に梱包されていました。
郵送履歴を見るのも楽しかったです。
で、9月13日に満を持してPC-1250の液晶を交換。
そして、、、動作良好!!
液晶復活!!!
参考にしたのは、
この動画です。
ブログ主は、アセトン(溶剤)をどうやって入手したらいいのか分からず、結局LCDを叩き割って強引に取り外しました。
で、調子にのって9月27日にPC-1255の液晶の交換を試みました。
今回は、アセトンをコメリで購入(近所に売っているのを知らなかった)し、準備万端で作業を開始。
で、、、、、、、、、、、、、、、、
液晶に文字が映らない!!
というか、ドットがにじんで文字が読めない状態でした。
でも、BEEP音は鳴る。。。。
かろうじて生きてる。 ε-(´∀`*)ホッ
慌てて、何回もベゼル(液晶がはめてある金属プレート)と導電ゴムのはめ直しをしました。
ゴムの上下裏表を変えてみたり、予備のLCDに変えてみたり、、、、
その際、基盤に傷をつけてしまい、脂汗もタラタラ。
でもだめ。
結局、5回やってだめ。
その度にベゼルの爪を曲げたり伸ばしたりを繰り返しているので、ボロボロに、、、、
(´・ω・`)
途方にくれてその日は終わり。
酒だーーーー酒酒。。。。
むなしい。。。。
(;´д`)トホホ…
ずーっと頭の隅に「課題」を残したまま日々を過ごし、、、、、
11月14日にこのページを読む。
https://8117.teacup.com/honhiro/bbs
一筋の光か!
keitoさんのコメントに、
圧着力がポイントになりました。圧着力は、ベゼルのツメの折り曲げ角度に左右され、強い(ツメが基板に密着)と液晶に任意のドットが表示され、逆に弱いとドット抜けが発生します。ツメが基板から少し(20~30°)浮いた状態で調整するのが、適切かと思います。
と書かれているを拝見し、頭の中の「課題」とマッチング!
ピコーーーン!
そうか!ベゼルの爪の折り曲げ強弱が問題だったんだ!
ということが分かり、2020年11月15日。再度LCDの修理に着手。
でも、ベゼルの爪は現時点でボロボロ。。。。
曲げて伸ばしてを繰り返しているので、今度しくじったらいつ折れてもおかしくない。
今回がラストチャンス。 (´Д`)ハァ…ー
でも、やるしかない。
で、作業開始。
まずはばらし。
メモリ基盤を外す。
ああ、、、この基盤。。。10kByteの基盤。。。。認識してくれ。。。
マザーボードを外す際は、赤○の部分を爪でこじ上げるようにすると簡単に外せます。
マザーボードを外したあとは、圧電ブザーとマザーボードが細いリード線でつながっているので、このまま作業するといずれリード線がハンダ部分で外れてしまいます。
なのでブログ主は、
圧電ブザー側のプラ版とコントラストダイヤル(緑の○)と、
圧電ブザー側のプラ版とカセットインターフェイス端子(青の○)
の部分をセロテープで軽く固定しました。
次に赤○の爪を精密ドライバーで爪起こし。
合計8箇所。
これが一番神経を使います。
爪を起こすにあたり、前回のPC-1250の時はカッターナイフを使いましたが、手が滑って基盤に傷がついたので、今回はベッセルの精密ドライバーを使いました。
100均のドライバーの一番小さいマイナスドライバーでは、爪と基盤の隙間が狭く、ドライバーの先が入らないので、思い切って308円もしたドライバーを買いました。
(ブログ主は裕福ではないので、304円のドライバーは高級品)
次に新しい液晶本体ガラス端子の接点部分をアルコールに浸した綿棒で清掃。
導電ゴムも同様にアルコールで清掃。
(導電ゴム)https://www.fujipoly.co.jp/product/connector/
ベゼルにはめ、いざ組み立て。
電池セット!
スイッチ・オン! 。。。。。
やっぱりだめ。液晶のにじみが残る、、、
このあと2回同様に実施したが駄目。
(´・ω・`)ショボーン モウアカーン
諦めようかな、、と思いつつ、導電ゴムをよく見るとマザーボードとの接触部分はゴムが縞模様になって凸凹しているのに対し、液晶本体のガラス面との接触部分はフラットになっているのに ( ゚д゚)ハッ! となった。
もしかしたら、導電ゴムが経年で固くなり凸凹しているため、マザーボードの金属端子と接触したり・しなかったりする部分があるため接触不良を起こして液晶にじみが生じているのでは。。
と仮定。
ではどうする。。。
導電ゴムとマザーボードとの接触部分の電気的接触を改善するには、、、
誰もやっていないが、、、
えーーい、人柱じゃあー。
接点復活剤で導電ゴムを拭いたれーーー
(半分やけくそ、、でも必死)
(接点復活剤で拭いたのは、導電ゴムのマザーボード接触面のみ[上の写真の青い四角の部分])
**********【注意】2022/5/14 追記しました。**********
今回は、接点復活剤で拭いて成功しましたが、本当は導電ゴム自体を新品に交換したほうが遥かに成功確率が高くなると思います。
と申しますのも、導電ゴム自体が経年で固くなり変形しているため、導電ゴムの取り外しをすることで、電極がうまく接触するところとそうないところが発生し、液晶のドット抜けやにじみにつながるのだと思います。
今回、8回も再挑戦して綺麗に表示できたのは、何度もやり直すことで導電ゴムの凸凹が基盤の電極の凹凸とほぼぴったりいったのではないかと推察しています(接点復活剤はあくまでも補助的な効果だったかも)
エクセルで描いた絵なので、下手っぴですが、イメージ図を下に並べました。ご理解の助けになれば幸いです。
<図1>ポケコンが新しい状態
図上段の水色が液晶ガラスでその中の橙色は液晶の電極を表します。
図中断の灰色が導電ゴムの絶縁帯、黒が導電部を表します。
図下段の緑色が基盤でその上に出っ張っているのが電極を表します。
<図2>図1において、導通している部分のみ黒とした図
図1で導電部のすべてが液晶と基板側の電極でつながっているわけではなく、
実際は、図2の黒色の導電部だけが液晶表示に役立っています。
でも、図2では液晶側と基板側の電極がすべて導通しているので、
表示不良は発生していません。
<図3>経年で基板側の電極の形に導電ゴムが変形した状態
長い時間が経過し、基板側の電極と基盤そのものの段差に応じて
導電ゴムが変形してそのまま固くなった状態。
<図4>液晶交換作業でバラバラにした状態
導電ゴムが固くなっているので、変形したままの状態です。
<図5>液晶交換後に導電ゴムと基盤を接触させた状態(不良時)
僅かなゴムの横ずれで液晶と基板側の電極が接触したり、
しなかったりしている状態です。
上の例では、導電ゴムの横ずれですが、縦にずれても接触不良となります。
またまた下手な絵で申し訳ありませんが、下に示します。
<図ア>ポケコンが新しい状態
図の意味は図1と同じです。なお、導電ゴムは灰色一色で描かれていますが、
当然黒の導電部が奥に何層も絶縁帯に挟まれている状態です。
<図イ>経年で基板側の電極の形に導電ゴムが変形した状態
電極からはみ出ている部分と電極に乗っている部分の段差で導電ゴムが
変形し「へ」の字に曲がってしまいます。図3と同じ状態です。
<図ウ>液晶交換後に導電ゴムと基盤を接触させた状態(不良時)
図5と同じです。
「へ」の字に曲がったまま上から押し付ける状態になります。
場合によっては、この図ウのように液晶の電極には接していますが、
基盤の電極とは接触不良を起こしているのかもしれません。
以上、2年経ってからやっと追記してすいません。
何かのお役に立てば幸いです。
(2022/5/14の追記はここまでです)
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ついでに、マザーボード上の接触部分を綿棒(何も付けない状態)でゴシゴシ拭いた。
ベゼルをマザーボードにはめて爪の折り曲げ。
これで8回目。
爪が折れないようにヒヤヒヤしながら折り曲げ。
傷つけないように、蛍光ペンのキャップ部分で押す。
プラスチックは力を加えると変形するので、うまい具合に手元の力を吸収してくれます(おすすめ)。
8箇所の爪を曲げて組み込み開始。
で、清水の舞台から飛び降りる気持ちで組み込み。
おもむろに電池を入れて本体を裏返しスイッチ・オン。
>
プロンプト表示!!
いいいいゃをうーーーーーーーーー!!(本当に叫んだ)
ガァッド(Godのこと)ーーーー!!
MEMを実行。
9630
( TДT)
ごめんよララァ、僕にはまだ帰れるところがあるんだ。
こんなにうれしいことはない。
ああ、
これでPC-1255しか動かないソフトが実行できる。
感無量。
今回使った道具類は、下の写真のとおりです。
上段左から、
・ハズキルーペ(老眼なので)
・接点復活剤
・アルコール(純度79%)
※写真のアルコールはドロドロしているタイプですが、
普通に水っぽいタイプのほうが成功率が高まると思います。
・アセトン
・綿棒
・セロテープ
下段左から、
・マイクロラジオペンチ(爪起こしで活用)
・ヴェッセルドライバー2本(0.9mmと1.8mm)
・先が曲がったピンセット
・100均の+ドライバー
・蛍光ペン
です。
今回の結果を弾みに、PC-1211用の液晶も購入しました。
届いたら交換しようーーー。
(*^_^*)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。